06/13:赤は

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赤は木の実。
茱萸の実、桜の実、南天の実。
青々としげる木陰にひっそり熟れているのがいい。
黒すぐりをほおばって食べるこどものくちびるが薄紅に濡れたの。
光に透かし見る柘榴。
雪を含んだ紅梅。
修二会の椿。
春日大社の巫女の袴。
月夜の鳥居。
WrittenBy: 櫻井香萌

06/11:透明は

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透明できれいなもの。
ダイヤモンド。
水晶のさざれ。
水滴が宙に舞うのも水晶みたい。
虹。
真新しいグラス。
ガラス細工の気泡。
シャンパンの泡。
真夏の明けの空。
恋したことにまだ気づいてないときのときめき。
WrittenBy: 櫻井香萌

06/09:紫は

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紫はすみれ、りんどう、藤の花
紫水晶の砕けたのに光が刺したもの
朝焼けの中に残る往きそびれた夜の薫り
夕暮れに名残を留める日の残滓が色立つのもきれい
夏の雲がふと淡紫に見えるのや
薄墨書きの書きさした筆の先が
滅紫にかすれるのもいい
WrittenBy: 櫻井香萌

06/07:夜は

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真夜中がすき。
春の曙は一夜を明かして
後朝の別れに身を横たえる温かな寂寥感
夏の夜はさやあてと逸らし
挑みの興の盛り
秋の夕暮れはこれから開く夜への
胸波立つときめき
冬のつとめては
恋の一夜を明かした後つれづれ
暖を取るゆとりを愛でているように思われる
WrittenBy: 櫻井香萌

05/22:いのりとねがい

大人になるとどうしてだか悲しいことが多いね、と私が言った。
違うよ、増えたんじゃなくて子どもの頃は見えなかったただけだよ、と主人が言った。
ずっとまえからひっそりと、けれど確実にいつも傍にあったんだよ、と。

別れはいつも突然に。それも本当にあっけない訪れで。

「人が死ぬのはいつだと思う?人に忘れられたときさ」とある漫画のおじいさんが言った。あっけない別れは記憶をどんどん美化させて。うっすらぼやけたもやのなかに見える景色はリアルさに欠けて。曖昧な記憶は自分自身さえ曖昧な存在にしてしまうようで、今まで踏み固めてきたはずの足場ががらがらと崩れて「私」が埋れていくような錯覚に陥る。

どこかの歌の歌詞ではないけれど「さよならの意味を知らない」私たちが本当の別れに気づくのはいつなのだろう。願わくばこの子がそれに気づくのはずっとずっと先でありますようにとわが子をぎゅっと抱きしめて祈るのでありました。
WrittenBy: 野出侑良
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