こどもの頃
父の家の裏庭に
おおきなおおきな桜の木があった
実のなる桜で
毎年5月には
いとこと背伸びして
または岩塀によじ登りながら
手がとどく範囲のさくらんぼを
むしゃむしゃ食べてた
無限に広がるようにみえた果実の園
なりものをそのまま食べるのははしたないと
母からはよく叱られた
手の届かない範囲のさくらんぼは
すきとおった緋が溶けるように挿した黄檗色で
手が届かない分
余計においしそうに見えた
いくつかの名前を使い分けて仕事してても
姓はすべてサクライで統一してるのは
桜の木への
味覚と色彩の鮮やかな記憶がともなう
愛着があるからか
筆名・香萌は
あの届かなかった桜の実へのオマージュかもと
思ったりする
新緑のせんとくん
なんかもうなれちゃったけど
ロンドン五輪のマスコットは
トレハロースのHAYASHIBARAのCMに登場する
「おとうさま」に似ている


