アホみたいな話だけど、わたしは自分が虚弱体質だと最近まで思ってなかった。
風邪なんかその気になったらひと冬持ち越せるほど病気ばっかりしてるのは、
自己管理能力が低い上に根性がないのだと思っていた。
喘息が持病でも、肺虚陰証であっても、敏感肌でも、不眠症でも、幼稚園から今日まで、病気をせずにすごした1ヶ月がなかったとしても、血管が細すぎて点滴できなくても、血液薄くて貧血でも、背筋力が30でも。
わたしはアホなのだろうか。
西洋医からも東洋医からも「虚弱体質」という医学的ならぬ見解をもらい、
この年にしてようやく「わたしはヘタレ」と認知する。
どうして自己認知が足りなかったのかと言うと、わたしの身長は172センチあり、
骨格もレントゲンは115%拡大かと思うほどほれぼれするような骨太であるからして、近代的モラルなき輩から常にサブリミナルのように、「大きいわね」「何か運動してるの」「丈夫でしょうね」と言われて来たのであった。
よってして、わたしは「自分は丈夫で健康」と誤認してしまったのだった。
まことに大きなお世話である。断っておくが運動などなにも出来ない。
平らな道を歩いていてもつまづくし、考え事をしつつ歩いていて西本願寺郵便局前の電柱に何回激突したか、数知れない。
背が高いことは、誤解と誤認を招くだけで、いいことなんかなにもない。
小学校1年生の時、クラスいちのチビが先生の首に抱きつき、わたしを見ながら、「女の子はちいさい方がかわいいよねー」といい、阿呆の先生もまた「うん」と言ったのを、執念深いわたしは29年忘れていない。
手足が長いので、胴周りばかり大きくて袖裾の短い日本の服には散々苦労した。ジーンズの裾も切ったことがない。靴もなかなかよいものがない。
その点ヨーロッパにいくとすべて選び放題で、サイズの多様性に
「わたしってガリガリかつ標準じゃん!」と歓喜したものだった。
日本国で暮らしていて、背が高くてよかったことなんか、なにもない。
それにしても、かように「思いこみ」とはおそろしいものである。
この体格で幾星霜を経て、多少面の皮も厚くなった。
以前は初対面の人から「大きいなー」と言われたら、はいはいさようでございます、アタマが軽いから上に上にと伸びたんですううーと合わせていたが、
最近は「大きいなー」と言われると「知ってます」、もしくは「あなたが小さいのです。わたしはヨーロッパ基準ですが、あなたは昭和基準なのですのね」
と満面の笑みと愛想フルスロットルで丁寧に言うことにしている。
根性悪いですか?ごめん。でも男性に言われると余計に言いたくなる。
その昔、祇園の男・甚は「背の高い女は愛する面積が広いからええやないか」とのたもうた。色ごのみの言うことはまことに粋であった。
まめすずさんと話していると、「大きいな」と言われてムカついてきた過去を共有しあえた。えぜこさんと話していると、自分に合った靴を探す苦労を共有できた。
まめすず173センチ。えぜこ168センチ。わたし172センチ。
みんな背筋の伸びた、姿勢のよい女子たちです。
風邪なんかその気になったらひと冬持ち越せるほど病気ばっかりしてるのは、
自己管理能力が低い上に根性がないのだと思っていた。
喘息が持病でも、肺虚陰証であっても、敏感肌でも、不眠症でも、幼稚園から今日まで、病気をせずにすごした1ヶ月がなかったとしても、血管が細すぎて点滴できなくても、血液薄くて貧血でも、背筋力が30でも。
わたしはアホなのだろうか。
西洋医からも東洋医からも「虚弱体質」という医学的ならぬ見解をもらい、
この年にしてようやく「わたしはヘタレ」と認知する。
どうして自己認知が足りなかったのかと言うと、わたしの身長は172センチあり、
骨格もレントゲンは115%拡大かと思うほどほれぼれするような骨太であるからして、近代的モラルなき輩から常にサブリミナルのように、「大きいわね」「何か運動してるの」「丈夫でしょうね」と言われて来たのであった。
よってして、わたしは「自分は丈夫で健康」と誤認してしまったのだった。
まことに大きなお世話である。断っておくが運動などなにも出来ない。
平らな道を歩いていてもつまづくし、考え事をしつつ歩いていて西本願寺郵便局前の電柱に何回激突したか、数知れない。
背が高いことは、誤解と誤認を招くだけで、いいことなんかなにもない。
小学校1年生の時、クラスいちのチビが先生の首に抱きつき、わたしを見ながら、「女の子はちいさい方がかわいいよねー」といい、阿呆の先生もまた「うん」と言ったのを、執念深いわたしは29年忘れていない。
手足が長いので、胴周りばかり大きくて袖裾の短い日本の服には散々苦労した。ジーンズの裾も切ったことがない。靴もなかなかよいものがない。
その点ヨーロッパにいくとすべて選び放題で、サイズの多様性に
「わたしってガリガリかつ標準じゃん!」と歓喜したものだった。
日本国で暮らしていて、背が高くてよかったことなんか、なにもない。
それにしても、かように「思いこみ」とはおそろしいものである。
この体格で幾星霜を経て、多少面の皮も厚くなった。
以前は初対面の人から「大きいなー」と言われたら、はいはいさようでございます、アタマが軽いから上に上にと伸びたんですううーと合わせていたが、
最近は「大きいなー」と言われると「知ってます」、もしくは「あなたが小さいのです。わたしはヨーロッパ基準ですが、あなたは昭和基準なのですのね」
と満面の笑みと愛想フルスロットルで丁寧に言うことにしている。
根性悪いですか?ごめん。でも男性に言われると余計に言いたくなる。
その昔、祇園の男・甚は「背の高い女は愛する面積が広いからええやないか」とのたもうた。色ごのみの言うことはまことに粋であった。
まめすずさんと話していると、「大きいな」と言われてムカついてきた過去を共有しあえた。えぜこさんと話していると、自分に合った靴を探す苦労を共有できた。
まめすず173センチ。えぜこ168センチ。わたし172センチ。
みんな背筋の伸びた、姿勢のよい女子たちです。

