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03/01: Bakery cafe KiJi-KiJi―大阪
京都は物価が高いです。
港が遠いからだろうかと思うほど、食べ物の値段が高うおす。
パン大好きの隊長は「京都のパン屋は俺で持ってる」と不遜に
豪語しておりますほど、我が家のパン代は中々の比率でございます。
そんなお口の肥えきった隊長をうならせたのが、
天満橋のBakery cafe KiJi-KiJiです。
2009年9月にオープンしたばかりの、ぴかぴかのお店です。
国産小麦のみを使用し、低温長時間発酵させたやさしいパンたち。
ひとつひとつおいしい笑顔をうむために、きらきらとかがやいいています。
クイニーアマン。スコーン各種。ベーグル各種。バケット各種。
クリームブリオッシュパン。クロワッサン。
ホワイトチョコをクーベルチュールしたクロワッサン46(しろ)。
ブラックチョコをクーベルチュールしたクロワッサン96(くろ)。
くるみのクロッカン。クランベリーとクリームチーズのカスクート。
ベーコンエピ。じゃがいもとバジルのフォカッチャ。トマトとチーズのフォカッチャ。
渋皮栗とさつまいものタルト。ベリーのタルト。あんぱん。
キューブあんぱん。キューブチョコパン。
ノワ・クランベリー。バケットカンパーニュ。各種サンドイッチなどなど…。
ああ。書ききれません。
ハード系とソフト系、甘い系と食事系のラインナップが
充実しきっていて実にぜいたくです。
どれもおいしくて、そして安いのです。クロワッサン100円。スコーン130円。
びっくりしたのは手のひらふたつ分ほどの亀の甲羅のような
おおきなコッペパン、その名も「ぱん」160円。ベーグルも100円から。
安いです。安いです。安すぎます。そしておいしいのです。
バターの比率が絶妙です。
京都はパンが高いなあ。港が遠いからかなあ。
奥はイートインスペースになっていましたので、珈琲を頼んでランチにしました。
珈琲180円。これまたおいしくて、おかわりしてしまいました。
なんちゅーくおりてぃの高さですか。
もうたまげました。
オーナーは料理人のケンタロウ似のオサレさんでした。
お昼時だったので、置くから見ているとまさに「飛ぶように」売れてました。
ほんまにパンが飛んでました。
なっとく、なっとく。
天満橋はビジネス街なので、ガッツリした飲食店が多いのですが、
ビジネス街のオアシスをひとつ見つけました。
京都にもこんなお店があるといいなあ。
大阪市中央区内平野町1-3-9
8時~17時
06-6943-5203
土日休 Bakery cafe KiJi-KiJi―大阪地図・詳細
01/16: ほんやら洞―京都
写真家、甲斐扶佐義さんが経営する喫茶店。屋号はつげ義春の「ほんやら洞のべんさん」からとったそうです。40年前からこの今出川通りに面した同志社大学東隣にずん、とたたずみ、威容を放っています。
創業当時は岡林信康さんや吉田拓郎さんも通っていたとか。
2階はミーティング兼図書室になっていて、いまもゲイジュツカっぽい方々が出入りしていて、喫茶店というよりは、京都の文化財といったほうがふさわしい感じです。
今年で御年60歳になられる甲斐さんは、ほんやら洞とともに、
木屋町で八文字屋というバーも経営しておられます。「もうからだがもたんから、
両方辞めたろかとおもてますねん」とぽつりつぶやく甲斐さん。
そ、そんなこと言わないで下さい、とあわてるわたし。お店の中はまるで甲斐さんの書斎のようで、喫茶店に来たというよりは、甲斐さんの書斎を訪ねたような気持ちになります。お店の奥には甲斐さんの写真集とポストカードがぎっしり。なんていうか、お店の雰囲気が学生運動・全共闘・フォークでできているかんじです。
でも、それもいまは歴史の一頁。
つわものどもが夢のあと、なのか、いまもなお、なのか。
うだじいこのお店好きになるだろうなあと、ちちろ店主・宇多さんを思い出す。
厨房を見ると、いいように言えば年季の入ったお鍋がふたつぐらぐらと地獄の釜のように煮えたぎっておりました。ランチのおでんとシチューであったよう(推測)。
わたしはキーマカレーのセットをいただきましたが、
ひよこ豆と挽肉のカレーはスパイスがよく効いていて、あとからほんのりからだがぬくもる感じ。とてもおいしかったです。
ほんとうはそのまま食後の珈琲をいただいて本を読んでぼおっとしたかったのだけど、その日は同志社大学で開かれた研究会に行かねばならず、断念。
ああ、珈琲飲みたかったなあ。トーストメニュウも豊富でおいしそうだった。

お会計をお願いすると「いまレジ壊れてますねん」と言って、開かないレジ周辺にブチまけられた小銭や紙幣の中からかき集めておつりをくださいました。
いつもお札はピンとしたのを、向きをそろえて入れたい方なのですが、甲斐さんがくれた千円札はすべてびよびよにしわが入っていて、財布に収めるとごわごわする感じに膨れておりました。たまにはこういうゆるっとした感じもいいなあと、妙に抵抗なく受け入れられたのも、不思議。
甲斐さんのすきなもの。カメラ、美女、こども、京都、ねこ、モノクローム。
ほかの人には真似のできないこのほんやら洞のあり方。それは幾星霜の年月、
さまざまな人の思想や人生を吸収してきたからこそ醸し出せる雰囲気なのかも。
八文字屋にも、行ってみよう。
京都市上京区大原口町229
11:00~19:00(不定休・遠方から来店の場合は電話で確認を)
075-222-1574 ほんやら洞―京都地図・詳細
12/17: パビリオンブックスカフェ―奈良
建物に威圧感や壮大なスケールや、その技巧の巧みであることに感心したことはあるのですが、ただそこにいるだけで涙がこぼれそうになるほど静かに心を揺さぶられる家屋に生まれてはじめて逢いました。
それがパビリオンブックスカフェです。
もとはと言えば、2年前に恵文社一乗寺店でパビリオンブックスさんの展示会を拝見し、メッセージノートにメモを遺したご縁でメルマガが届くようになり、
わたしはecritを始めたばかりで色々思案中だった同時期だったので、
まずパビリオンブックスさんのHPとリンクを張らせていただくご縁を得て、
更にブログを通してやりとりをして…というあらましで、実は一度もお会いしたことがないままおうかがいしたのでした。
パビリオンブックスカフェは旦那様=隊長、奥様=社長の呼び名で上下関係ドローの大西夫妻がGallery out of placeの物置になっていた古い長屋を買い取り(お隣同士なのです)、なんと3年半にも及ぶDIYの末に、11月7日オープンされました(我が家がツレアイを隊長と呼ぶのは大西夫妻に因みます)。
もとギャラリーマネージャーの隊長が長屋の材木のうち使えるものは余さず使用して創ったお店。「サイン、コサインとか、高校の時は何に必要なのかよくわからなかったけど、自分で設計書描いてみたら案外理解できた」とおっしゃる隊長サマ。算数力小学3年生のわたしには想像を絶するご発言でございます。
この隊長がまた眉目秀麗の美男子。
絹のお肌に整った知的な鼻梁。涼しい目つき。そしてなによりも声!
声が静かに深くて、思索的。また話し方もとっても紳士的で配慮が深く、なんともすてきな方なのです。墨染めの僧衣が似合いそうです。
東京から嫁いで来られた奥様=社長は、そんな隊長をとてもとてもとても尊敬し、愛していらっしゃることが拝せられました。社長は明るくお話しがとてもはずむ、心配りの行き届いたすてきな方で、お二方はほんとうにすてきでお似合いのご夫婦でした。いろんな夫婦に出会いますが、「あこがれる・かくあらまほしき夫婦の姿」ダントツ1位です。
すばらしき哉、大西夫妻。
お互いにお人柄がしっかり自立なさっているからこそ、あんな風にすてきなカップルになれるのですね。あこがれます+尊敬します。
店舗となった長屋の築年数ははっきりとわからないそうですが、壁紙に混ぜ込まれていた新聞紙の日付が昭和15年であったことから、すくなくとも同時代以降のものと察せられます。となると築70年ぐらい?
隊長は長屋に使用されている材木をできるだけ捨てず、削ったり、磨いたりして再利用されました。壁際の長椅子はもと縁側であったものだとか。
「時間をかけて創られたものは、時間をかけて残ってゆきます」という大西夫妻の言葉に胸がじーん。あちこちに収納のしかけがある店内は隊長の頭脳の粋を尽くした意匠。お話を聞いてはただ感心するばかりの、算数能力小3のわたし。わたしの出た私立高校は私立文系を志望すると数Ⅰの半分で履修を終えるのですが、あのオサラバした数Ⅰの先の先に、この設計が、そのまだ先には宇宙やIPS細胞があるのであろうなあ、と遙か彼方を思いました。
現在、パビリオンブックスカフェのメニューはケーキと珈琲、紅茶とシンプルです。
この日いただいたのは小麦粉を使用せず、アーモンドパウダーで焼いた「ガトーショコラ・ナンシー」と珈琲。ぽわぽわしてて、とってもおいしかったです。
食器はすべて、お店の空気に心地よく馴染む品ばかり。
「おいしい豆でおいしい珈琲が煎れられるのは当然だけど、普通の豆でどこまでおいしい珈琲を煎れられるかということの方がぼくには大切だし、そういう目標を持ってます」とおっしゃる隊長は、ほぼ禅僧が禅スピリッツを語る、みたいに高尚なアウラに満ちておりました。気品で光って見えまする。
このカフェは、その名のとおり社長がオーナーである絵本のネットショップ、パビリオンブックスの実店舗も兼ねています。壁は本棚になっていて、パビリオンブックスが扱う世界の絵本が展示されていて珈琲を愉しみながら読むことができます(一部販売も有)。
ブログでずっと「パビリオンブックスカフェの建築過程」を追ってきただけに、はじめて訪れた時は感慨もひとしお。隊長と社長が紡ぎ出すパビリオン空間は、「大好き過ぎて、あまり人に知られたくない…」と思うほど、深く静かにあたたかい「おうち」なのでした。
奈良市今辻子町32-5
木曜~日曜
12時~19時 パビリオンブックスカフェ―奈良地図・詳細
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