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01/16: ほんやら洞―京都
写真家、甲斐扶佐義さんが経営する喫茶店。屋号はつげ義春の「ほんやら洞のべんさん」からとったそうです。40年前からこの今出川通りに面した同志社大学東隣にずん、とたたずみ、威容を放っています。
創業当時は岡林信康さんや吉田拓郎さんも通っていたとか。
2階はミーティング兼図書室になっていて、いまもゲイジュツカっぽい方々が出入りしていて、喫茶店というよりは、京都の文化財といったほうがふさわしい感じです。
今年で御年60歳になられる甲斐さんは、ほんやら洞とともに、
木屋町で八文字屋というバーも経営しておられます。「もうからだがもたんから、
両方辞めたろかとおもてますねん」とぽつりつぶやく甲斐さん。
そ、そんなこと言わないで下さい、とあわてるわたし。お店の中はまるで甲斐さんの書斎のようで、喫茶店に来たというよりは、甲斐さんの書斎を訪ねたような気持ちになります。お店の奥には甲斐さんの写真集とポストカードがぎっしり。なんていうか、お店の雰囲気が学生運動・全共闘・フォークでできているかんじです。
でも、それもいまは歴史の一頁。
つわものどもが夢のあと、なのか、いまもなお、なのか。
うだじいこのお店好きになるだろうなあと、ちちろ店主・宇多さんを思い出す。
厨房を見ると、いいように言えば年季の入ったお鍋がふたつぐらぐらと地獄の釜のように煮えたぎっておりました。ランチのおでんとシチューであったよう(推測)。
わたしはキーマカレーのセットをいただきましたが、
ひよこ豆と挽肉のカレーはスパイスがよく効いていて、あとからほんのりからだがぬくもる感じ。とてもおいしかったです。
ほんとうはそのまま食後の珈琲をいただいて本を読んでぼおっとしたかったのだけど、その日は同志社大学で開かれた研究会に行かねばならず、断念。
ああ、珈琲飲みたかったなあ。トーストメニュウも豊富でおいしそうだった。

お会計をお願いすると「いまレジ壊れてますねん」と言って、開かないレジ周辺にブチまけられた小銭や紙幣の中からかき集めておつりをくださいました。
いつもお札はピンとしたのを、向きをそろえて入れたい方なのですが、甲斐さんがくれた千円札はすべてびよびよにしわが入っていて、財布に収めるとごわごわする感じに膨れておりました。たまにはこういうゆるっとした感じもいいなあと、妙に抵抗なく受け入れられたのも、不思議。
甲斐さんのすきなもの。カメラ、美女、こども、京都、ねこ、モノクローム。
ほかの人には真似のできないこのほんやら洞のあり方。それは幾星霜の年月、
さまざまな人の思想や人生を吸収してきたからこそ醸し出せる雰囲気なのかも。
八文字屋にも、行ってみよう。
京都市上京区大原口町229
11:00~19:00(不定休・遠方から来店の場合は電話で確認を)
075-222-1574 ほんやら洞―京都地図・詳細
12/17: パビリオンブックスカフェ―奈良
建物に威圧感や壮大なスケールや、その技巧の巧みであることに感心したことはあるのですが、ただそこにいるだけで涙がこぼれそうになるほど静かに心を揺さぶられる家屋に生まれてはじめて逢いました。
それがパビリオンブックスカフェです。
もとはと言えば、2年前に恵文社一乗寺店でパビリオンブックスさんの展示会を拝見し、メッセージノートにメモを遺したご縁でメルマガが届くようになり、
わたしはecritを始めたばかりで色々思案中だった同時期だったので、
まずパビリオンブックスさんのHPとリンクを張らせていただくご縁を得て、
更にブログを通してやりとりをして…というあらましで、実は一度もお会いしたことがないままおうかがいしたのでした。
パビリオンブックスカフェは旦那様=隊長、奥様=社長の呼び名で上下関係ドローの大西夫妻がGallery out of placeの物置になっていた古い長屋を買い取り(お隣同士なのです)、なんと3年半にも及ぶDIYの末に、11月7日オープンされました(我が家がツレアイを隊長と呼ぶのは大西夫妻に因みます)。
もとギャラリーマネージャーの隊長が長屋の材木のうち使えるものは余さず使用して創ったお店。「サイン、コサインとか、高校の時は何に必要なのかよくわからなかったけど、自分で設計書描いてみたら案外理解できた」とおっしゃる隊長サマ。算数力小学3年生のわたしには想像を絶するご発言でございます。
この隊長がまた眉目秀麗の美男子。
絹のお肌に整った知的な鼻梁。涼しい目つき。そしてなによりも声!
声が静かに深くて、思索的。また話し方もとっても紳士的で配慮が深く、なんともすてきな方なのです。墨染めの僧衣が似合いそうです。
東京から嫁いで来られた奥様=社長は、そんな隊長をとてもとてもとても尊敬し、愛していらっしゃることが拝せられました。社長は明るくお話しがとてもはずむ、心配りの行き届いたすてきな方で、お二方はほんとうにすてきでお似合いのご夫婦でした。いろんな夫婦に出会いますが、「あこがれる・かくあらまほしき夫婦の姿」ダントツ1位です。
すばらしき哉、大西夫妻。
お互いにお人柄がしっかり自立なさっているからこそ、あんな風にすてきなカップルになれるのですね。あこがれます+尊敬します。
店舗となった長屋の築年数ははっきりとわからないそうですが、壁紙に混ぜ込まれていた新聞紙の日付が昭和15年であったことから、すくなくとも同時代以降のものと察せられます。となると築70年ぐらい?
隊長は長屋に使用されている材木をできるだけ捨てず、削ったり、磨いたりして再利用されました。壁際の長椅子はもと縁側であったものだとか。
「時間をかけて創られたものは、時間をかけて残ってゆきます」という大西夫妻の言葉に胸がじーん。あちこちに収納のしかけがある店内は隊長の頭脳の粋を尽くした意匠。お話を聞いてはただ感心するばかりの、算数能力小3のわたし。わたしの出た私立高校は私立文系を志望すると数Ⅰの半分で履修を終えるのですが、あのオサラバした数Ⅰの先の先に、この設計が、そのまだ先には宇宙やIPS細胞があるのであろうなあ、と遙か彼方を思いました。
現在、パビリオンブックスカフェのメニューはケーキと珈琲、紅茶とシンプルです。
この日いただいたのは小麦粉を使用せず、アーモンドパウダーで焼いた「ガトーショコラ・ナンシー」と珈琲。ぽわぽわしてて、とってもおいしかったです。
食器はすべて、お店の空気に心地よく馴染む品ばかり。
「おいしい豆でおいしい珈琲が煎れられるのは当然だけど、普通の豆でどこまでおいしい珈琲を煎れられるかということの方がぼくには大切だし、そういう目標を持ってます」とおっしゃる隊長は、ほぼ禅僧が禅スピリッツを語る、みたいに高尚なアウラに満ちておりました。気品で光って見えまする。
このカフェは、その名のとおり社長がオーナーである絵本のネットショップ、パビリオンブックスの実店舗も兼ねています。壁は本棚になっていて、パビリオンブックスが扱う世界の絵本が展示されていて珈琲を愉しみながら読むことができます(一部販売も有)。
ブログでずっと「パビリオンブックスカフェの建築過程」を追ってきただけに、はじめて訪れた時は感慨もひとしお。隊長と社長が紡ぎ出すパビリオン空間は、「大好き過ぎて、あまり人に知られたくない…」と思うほど、深く静かにあたたかい「おうち」なのでした。
奈良市今辻子町32-5
木曜~日曜
12時~19時 パビリオンブックスカフェ―奈良地図・詳細
12/01: Gallery out of PLACE―奈良
奈良の三条通の喧噪を離れた民家が連なる昔ながらの町中にある画廊、
Gallary out of PLACEです。
オーナーの野村さんとは、はじめて訪れたパビリオンブックスカフェでお会いし、
お誘いいただいてギャラリーに遊びにいってまいりました。
なんといっても、オーナーの野村さんがスタイルのいい、目元の涼しい、おしゃれで、ダンディな紳士なのです。関西弁で言うと「しゅっとした」感じ。
それもそのはず。野村さんは写真家を目指して7年間フランスにお住まいだったそうです。奈良の山添村出身とうかがっても「奈良の山添産でこのアカ抜け感が出るわけがない」と半信半疑。でもおフランスの水に洗われたダンディズムだと知ると、さもありなんと思ってしまう。
ご本人はどこ吹く風で、「フランスは外国人に冷たい土地でね。悔しいから、フランス人よりも意地悪になって帰ってきましてん」とあっけらかんとなさっていました。
そういう飄々とした雰囲気もまたすてき。わたしの「奈良オトコマエ・リスト」殿堂一位ZU-RO designの強敵現わるる!といった感じです(なんという言いぐさ!)。
さて、このGallery out of PLACEとお隣のパビリオンブックスカフェさんとは長屋の棟続きで、間取りは同じですが内装が違うのでDIY(パビリオンブックス)とプロの建築(Gallery out of PLACE)の違いを愉しむこともできます。後にご紹介しますが、現パビリオンブックスカフェさんは、もとGallery out of PLACEの倉庫として使用されていたんだそうです。すてきなご縁と物語じゃあありませんか。
Gallery out of PLACEは2005年3月にオープンした、
「奈良から現代アートを発信したい」という志からうまれたギャラリーです。
「奈良には古いものはたくさんあるけど、新しい芸術が育つ土壌がない。
奈良の古いものを大切にしながらも、新しいものをそこから掘り起こしたい。
ギャラリーという場はともすれば作品を右から左に流すだけの場になってしまいがちなんだけど、10年後を見据えてちいさな種、力のある芽を見つけて育てたい。
10年後のために今の畑を耕したいって気持ちなんです」とは野村さんの言。
わたしがおうかがいした際は中村航さんの個展中でした。1サークル5週間で年間8回程度の個展を開催していらっしゃいます。またGallery out of PLACEは東京にもあり、ふたつのギャラリーを経営される野村さんは、人と場、仕事をつなぐ現在のお仕事もまたアートの一形態なんですとおっしゃってました。
その野村さんが主宰するのがNAP(Nara Art Prom)というプロジェクト。
2010年秋の奈良をアートに染め抜くべく、現在奔走しておられます。
詳細はHPに譲りますが、ならまち、きたまち、にしまちなどで路上展を展開し、
古と未来が交錯する未知の世界の創造を目論んでおられます。
参加アーティスト・展示スペース・サポーター・協賛企業など、随時募集中です。
我こそはと思われる方は、ぜひご検討+アクセスください。
「奈良からアート」に、あなたの情熱を!ということで
野村さん、プロジェクトの圧倒的ご成功をお祈りしています!
奈良市今辻子町32-2
0742-26-1001
営業時間: 木―日 12:00-19:00
月火水休廊
また展覧会開催期間以外は原則として休廊になります。
休廊期間にお越しの際は事前にお電話ください。 Gallery out of PLACE―奈良地図・詳細
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やったぁ~♪ 祢ざめや・・・バンザイ!! うひゃっひゃ...
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