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[ほたる-1-]
へえ、あんさん、小説を書いていなさるんやて。いやあ、えらいもんだすな。もうなんぼも、ご本は出しておいでですのんやろ。まあまあ、それはそ...
[ほたる-2-]
実を言いますとなあ、お留めだてしたんは他でもない。あんさんの雰囲気によう似たお人を、むかしむかしに、わしは知っとったんだす。こないな田...
[ほたる-3-]
わしらが日に灼かれて黒うなっとる時分、加代さまはいっつも日傘を差して人力車にお乗りやった。夏に咲く、白い朝顔の花みたいなちいさい麻の日...
[ほたる-4-]
加代さまは、そないして日頃は外にはおいでにならんもんやから、大きいお屋敷の奥まったお部屋においでやというそのお姿なんぞは、そうそう人目...
[ほたる-5-]
街の人にはわからんかもしれまへんが、人の出入りも大きな出来事もそないあれしませんこないな田舎の人は、他人のうわさ話だけがなによりの凝っ...

