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[香炉―1]

真夏のならは淡々と鮮やんでいて、その風景の深さと静かさは太陽の陽射しの強さに比例する。わたしは毎日南半田町の自宅から観光客には知られてい...

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[香炉―2]

よし川のすぐ先に戒壇院が見える。細路地ばかり入り組んで、特に目印になるようなものがないから、他人に道順を教えるのは厄介だ。けれど、あちこ...

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[香炉―3]

わたしはただ、自分の狭い狭い世界観の中で、自分の物差しで自分自身を測りかね、思いあぐねた果てに、ささやかな自己満足にうぬぼれているだけ...

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[香炉―4]

不意打ちの声にわたしは体が固くなったが、だれもその声に反応しないので、女性は更に続けて「もうし、もうし!」と声を張った。本尊の前に座った...

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